最近、注目されている『サイコパス』という言葉。
皆さんは、どんな意味か分かりますか??
サイコパスという言葉は、怖い映画や書籍を見ると頻繁に出てくる感じですが、実際にはどんな意味なんでしょう。
サイコパスは心理学の用語。
この言葉の意味するものを、柔らかい言葉で表現すると以下のようになります。
サイコパス
目次
サイコパスは社会の捕食者(プレデター)?

サイコパス研究の第一人者である犯罪心理学の研究者であるロバート・D・ヘアは、サイコパスという言葉を以下のように表現しています。
サイコパスは社会の捕食者であり、生涯を通じて他人を魅惑し、操り、情け容赦なくわが道だけをいき、心を引き裂かれた人や、期待を打ち砕かれた人や、からになった財布をあとにのこしていく。
良心とか他人に対する思いやりにまったく欠けている彼らは、罪悪感も後悔の念もなく社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手にほしいものを取り、好きなようにふるまう。
……めちゃくちゃ恐ろしい存在じゃないですか。
正直、引きますよね。
実際、サイコパスという言葉で私たちがイメージするものは、映画『羊たちの沈黙』に出てくる冷酷な殺人鬼ハンニバル・レクターや、アメリカの連続殺人鬼テッド・バンディ、それから、日本では神戸の連続児童殺傷事件の犯人少年Aこと酒鬼薔薇聖斗のことなんかを思い浮かべますよね。
確かに、サイコパスの中のごく一部の人間は、このような恐ろしい殺人を犯しています。
でも、世界中のすべてのサイコパス素因を持つ人たちが、みな一様に、このような連続殺人鬼というわけではありません。
たとえ、サイコパス的な要素を持っていても、自身の才能を恐ろしい犯罪に使わず、社会的な貢献に役立てている人もたくさんいます。
サイコパスと診断される人たちは、その残酷で冷たい側面を見せつつも、同時に、魅力的であり、集中力があり、怖いもの知らずという側面もあるんですよね。
サイコパスの長所としては、一点集中力、精神の強靭さ、並外れた行動力などが挙げられます。
そんなサイコパスは、恐ろしいだけでなく、とても魅力的な存在です。
でも、もし、サイコパス度の高い人が自分の身近にいたら……?
たとえば、自分の勤めている会社の同僚、あるいは上司や部下がサイコパスだったとしたら……?
皆さんは、そういったことを想像したことはありませんか?
あるいは、既に、自分の職場にサイコパスがいる、と心当たりがある人もいるかもしれません。
今回は、そんな恐ろしくも魅力的なサイコパスの人たちが集まりやすい職場をベスト10で紹介します。
もちろん、自分の働いている職場が、ランキング上位に食い込んでいるからと言って、あなたも含め、そこで働いている人すべてがサイコパスであるというわけではありませんので、そこのところは誤解しないようにしてくださいね。
サイコパス度が高い職場ランキング1位は企業のCEO
サイコパス度が高い職業ランキング | 職業 |
---|---|
1位 | 企業のCEO |
2位 | 弁護士 |
3位 | テレビ・ラジオなどの報道関係者 |
4位 | セールスマン |
5位 | 外科医 |
6位 | ジャーナリスト |
7位 | 警察官 |
8位 | 聖職者 |
9位 | シェフ |
10位 | 公務員 |
実は、サイコパス度の高さと年収の高さは、関係がある可能性が高いんです。
単刀直入に言うと、サイコパス度が高い職業の方は年収も多い傾向にあります。
たとえば、外科医などは、人の体をメスで切り開く職業です。
手術中に、緊張で指先が震えたり、人の命を背負っていることに対してあまりにもプレッシャーを感じすぎたりしてしまうと、それが悪く働いて失敗に繋がってしまうこともあります。
確かに、極度に緊張に弱かったり、精神的に打たれ弱かったりする人が外科医だったら、私は、その外科医の手術は絶対に受けたくないです!!
でも、サイコパス度が高い人が外科医だった場合、プレッシャーに強いため、緊張の伴う局面だとしても、ストレスを感じることなく、執刀に集中できますよね。
外科医だけでなく、企業のCEOや弁護士、テレビ・ラジオなどの報道関係者などのプレッシャーの大きな職業は、責任が重い分、サイコパス度が高い人に向いていると言えるでしょう。
サイコパスは、良心がなく、残忍で残酷という怖いイメージもありますが、プレッシャーに強く、リスクを取ることができるという強みもあります。
なので、サイコパスの残酷で共感能力を持たないという短所が、CEOや弁護士、外科医などの職業に向かわせるのではなく、むしろ、プレッシャーに強く集中力があるという長所が、その職業を天職とさせていると捉えるのが正しいのかもしれませんね。
ちなみに、↑の表のランキングが何を根拠に決められているのかも説明しておきます。
この表の出典は、心理学者ケヴィン・ダットンの『サイコパス 秘められた能力』に出てくる表なのですが、こちらは、イギリスの労働者向けのサイコパスの特質を調べるためのテストから導き出されました。
なので、この↑のランキングは、イギリスで最もサイコパス度が高い職業ランキングということになります。
とはいえ、ランキングの結果を見て、日本でも、十分当てはまっていると感じる人も多いのではないでしょうか。
個人的には、警察官は危険の多い職業なので、勇気があり、行動力がある人でなければ務まらないとは思いますが、聖職者もサイコパス度が高いというのは意外な気がしました。
シェフがサイコパス度が高い、というのも興味深いですね。
では、逆にサイコパス度が低い職場というのは、どんなところなのでしょうか。
サイコパス度が低い職業ランキングの1位は介護士!
サイコパス度が低い職業ランキング | 職業 |
---|---|
1位 | 介護士 |
2位 | 看護師 |
3位 | 療法士 |
4位 | 職人 |
5位 | 美容師/スタイリスト |
6位 | 慈善活動家 |
7位 | 教師 |
8位 | クリエイティブアーティスト |
9位 | 内科医 |
10位 | 会計士 |
こちらもイギリスの労働者をテストして作成されたランキングとなります。
サイコパス度がもっとも低い職業は、介護士です。
そして、2番が看護師、そこから療法士、職人と続きます。
素人目線かもしれませんが、介護士や看護師の方が、サイコパス度が低いというのは、なんとなく納得がいく気がします。
介護士や看護師の仕事は、患者さんの気持ちに共感したり、思いやりを持てたりする能力が高い人の方がこれらの仕事に向いている、というのは理解できますよね。
社長の5人に1人がサイコパス

サイコパス度が高い職業ランキング1位に輝いた(?)CEO(最高経営責任者)ですが、こちらについてはかなり興味深いデータがあります。
実は、CEOと犯罪者のサイコパスの割合は、ほぼ同じなんです。。。
オーストラリアのボンド大学の研究チームによれば、アメリカのCEO261人の調査結果によると、かれらの21%が臨床的に明らかにサイコパス素因があるという結論が出ました。
刑務所の囚人のサイコパスの割合が、全体に対して約20%という調査があるため、犯罪者よりもCEOの方が、むしろ、サイコパス的な傾向を持つ人は多いのかもしれません。
なぜ、CEOにサイコパス素因を持つ人が多いのかというと、これは、サイコパスの持つ無慈悲さや自己中心的な性格、共感の欠如という特質が影響しているのかもしれません。
サイコパスの計算高さや、成功のためにモラルを破ることに躊躇しない性質が、結果的に、会社の利益にもっとも貢献できる選択を機械的に選ばせているのです。
もし、自分の上司がサイコパスだったら?

サイコパスの魅力的なところや大胆な行動力は、とても頼もしいです。
でも、それがプラスに働いているときはいいですが、ときに、残酷な一面や容赦のなさが、部下であるあなたに向けられることもあります。
もし、自分の上司がサイコパス的な要素を持ち、あなたを攻撃してきたらどうすればいいのでしょうか。
一番良い選択としては、できるだけその上司と関わらないことです。こういった上司に一度でも目を付けられれば、嫌がらせを受けたり、何かに利用されたり、裏切られたりすることになるのは明白。
そんな人物と関われば、自分が消耗するだけなので、とにかくその人と一緒に仕事をすることを徹底的に避けるのが一番賢い選択です。
しかしながら、同じプロジェクトチームであったり、席が隣だったりすると、距離を置くことが難しいですよね。
このような場合は、サイコパス上司の注意を逸らす方法を見つけておくことや、できるかぎり沢山味方をつけ、こちらに手出しをしにくい環境をつくっておくのがいいでしょう。
また、出来る限り冷静でいることも必要です。
何かいやがらせをされたとき、感情的な対応をするのではなく、それをできるだけ表ざたにしたり、自分の味方になってくれる同僚や人事部に相談したりするのが良いかと思います。
サイコパス上司の横暴さ、理不尽さは、あなた以外の人も感じているはずなので、だれか共感してくれる人を見つけ、相談することが問題解決の近道なのです。
![]() サイコパス秘められた能力 [ ケヴィン・ダットン ]
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